3つの主要トレンドを浮き彫りに!「2025年上半期 米国における中国企業知財紛争動向報告書」発表
2025-12-13
2025年10月、北京海通国際知的財産研究院は、SZ DATA HONGKONG LIMITED、索智意聯(蘇州)科技有限公司と共同で、「2025年上半期 米国における中国企業知財紛争動向報告書」を発表した。本報告書は、詳細なデータと事例に基づき、米国における中国企業の特許、商標、著作権などの紛争動向を分析し、3つの主要トレンドを明らかにすることで、海外進出する中国企業の知的財産権対応への参考を提供する。
報告書によると、2025年上半期、米国で新たに立件された知的財産権訴訟は合計8,874件で、前年同期比24.11%増加した。このうち中国企業関連の新規案件は737件で、全体の約8.3%を占めており、米国における中国企業の知財紛争が依然として多発している状況を反映している。
受動的立場が顕著、7割の企業が被告に
訴訟上の立場に関しては、中国企業は米国における知財訴訟で明らかに受動的立場にある。737件の中国関連案件のうち、中国企業が被告となった案件数は538件で、7割以上を占めており、中国企業が訴訟において比較的受動的であることが示されている。
広東・福建・浙江が「集中地域」、外向型経済のリスク高
地域分布に関しては、広東省、福建省、浙江省の3省で案件数が最も集中している。広東省は被告企業数2,591社・案件数413件で最多であり、福建省(被告745社・案件216件)と浙江省(被告699社・案件197件)がそれに続く。この分布パターンは、中国企業の対米貿易の活発度と高い相関があり、海外進出プロセスにおける中国企業の知財リスクの予測および対応能力の強化が急務であることも浮き彫りにしている。
イリノイ州北部地区連邦地方裁判所が主要提訴地、損害賠償額は「中央高・両端低」分布
司法管轄に関しては、イリノイ州北部地区連邦地方裁判所(N.D.Ill.)が中国関連知財案件の主要な受理裁判所となっており、合計431件(全体の約58.3%)を受理した。報告書は、裁判官によって事件処理の効率や判決の傾向に顕著な差異があると指摘している。さらに、判決による損害賠償額は、「中央が高く両端が低い」という明確な分布特徴を示しており、賠償額が比較的低い案件と極めて高い案件の割合は比較的少ない。
まとめと行動指針:挑戦を機会に変え、防御から積極的戦略へ
前述の事件数、地域分布、訴訟上の立場、賠償額構造の分析を総合すると、2025年上半期の米国における中国企業の知財訴訟は、「受動的応訴、集中多発、賠償額の中央高・両端低い構造」という3つの主要トレンドを集中的に示していることが明確に見て取れる。これらのトレンドは、一つの核心的結論を指し示している。すなわち、国際化の過程にある中国企業が直面する知的財産権に関する挑戦は依然として厳しい、ということである。
出典:海通国際知的財産研究院
2025年10月10日