EPOとCNIPAがPCT国際調査機関試行プログラムを延長
2025-11-04
2025年9月22日、欧州特許庁(EPO)と中国国家知識産権局(CNIPA)は、PCT試行プログラムの延長について合意に達した。2020年12月の開始以来、770を超える中国企業、大学、研究機関が、高品質の調査報告書と見解書を迅速に取得するため、EPOを国際調査機関(ISA)に指定している。試行プログラムでは、年間出願件数の上限を3,000件としており、すべての出願書類は英語で提出する必要がある。
EPOをISAとして選択した中国出願人は、以下のいくつかのメリットを享受できる。
(1) 欧州段階への移行時に補充調査が不要となるため、特許取得が迅速化され、時間と費用を節約できる。
(2) PCT予備審査がEPOを通じて同時に行われるため、審査料が75%削減される。
EPOは、この試行プログラムが手続きの簡素化とコスト削減を実現し、イノベーション機関に具体的な成果をもたらし、国際戦略協力の価値を十分に実証したと述べている。今回の延長は、EPOとCNIPAが今後も協力を続けるというコミットメントを反映するだけでなく、イノベーションを共同で促進し、障壁を低減し、地域協力を強化するという両機関の確固たる決意を示すものでもある。
CNIPAは、この試行プロジェクトは中欧知的財産協力の重要な構成要素として、開始以来、中国の出願人から広く歓迎されていると指摘している。CNIPAは、この試行プログラムの延長により、中国企業が国際調査機関としてEPOを選択するインセンティブが継続的に高まり、欧州における特許出願と保護の容易性が最大限に高まると考える。
出典:中国科学院知的財産情報
2025年9月29日