EPOがJAソーラー(晶澳太陽能)の重要特許を無効に、正泰新能(CHINT New Energy)が欧州で初勝利

海外メディアJuve-patentによると、このほど欧州特許庁(EPO)異議部は、JAソーラー(以下、晶澳)が保有する太陽光技術の重要な特許(特許番号:EP4 092 759)を取り下げた。関係者は、この特許が中国太陽光パネルメーカーである正泰新能と晶澳の間の紛争の核心であり、今回のEPOの取り下げ決定は、まもなく欧州単一特許裁判所(UPC)で行われる予定の聴聞会に影響を及ぼす可能性があると指摘している。

正泰新能と晶澳の間の紛争は、晶澳の特許EP2787541およびEP4092759をめぐるものである。これらの特許は、新世代太陽電池の革新的技術であるTOPConに関する。TOPCon技術は新世代太陽光市場の主流技術と見なされており、主要メーカーが相次いでTOPCon生産ラインを構築する中で、関連特許の権利帰属と有効性は、企業のハイエンド市場における競争力に直接影響を与える。

晶澳と正泰はUPCでも関連する並行訴訟を起こしており、またEPOに対して異議申立手続きを開始していた。さらに、晶澳は2024731日にUPCハンブルク支部に対し、EP 759特許に基づく侵害訴訟を提起した(事件番号:UPC_CFI_429/2024)。ハンブルク裁判所は1119日にこの事件を審理した。EPOが今回晶澳の特許を無効にしたことについて、業界関係者はUPCでの並行訴訟に影響を与え、UPCの今後の判決が注目されると指摘している。

なお、EPOによる今回の特許無効は最終決定ではなく、晶澳が上訴する見込みであることが関係筋により明らかにされている。結果がどうであれ、晶澳と正泰新能の特許紛争は、太陽光産業全体に明確なシグナルを送っている。すなわち、太陽光産業における国際特許競争は、新たな段階に入ったということである。中国の太陽光企業にとって、今後の競争は生産能力と効率だけでなく、特許の質と法務戦略を総合した実力がさらに重要になる。

出典:知的財産フロンティア

20251020


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